1970年代中期、日本で自動車レースが脚光を浴びた時期がありました。
池沢さとし先生の「サーキットの狼」、村上もとか先生の「赤いペガサス」といったマンガが大ヒットしました。
そして1976年(昭和51年)に、富士スピードウェイで
「F1世界選手権インジャパン」が開催されました。
初めて日本で開催される、F1レースの公式戦です。
翌1977年(昭和52年)にも再び開催され、この年は星野一義さんら日本人ドライバーもスポット参戦(シーズンフル参戦ではない)しました。
それに合わせて、1977年9月から約1年間、
「アローエンブレム グランプリの鷹」という、レースを題材にしたアニメが放送されました。
主題歌を歌うのは、アニメソング界の帝王、水木一郎アニキです!
スーパーカーにドハマりした!!
そして、レース用のマシンだけでなく、市販の高級スポーツカー、例えば
ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなどが「スーパーカー」と呼ばれ、子供たちの間でも大流行しました。
もちろん本物など買えるわけはなく、本やプラモデル、ラジコンなどを買ってもらい、大喜びしていました。
多くの出版社から「スーパーカー大百科」のようなタイトルの図鑑本が発行されました。
私も親に頼んで何冊も買ってもらい、何回も繰り返して読んでいました。
若干マニアックな「マセラティ・メラク」や「デ・トマソ マングスタ」などの名前も覚えてしまいました。
天才デザイナー、ジウジアーロに憧れて・・・。
ある本に、数多くのスーパーカーをデザインした「ジウジアーロ」というイタリア人デザイナーの特集が掲載されていました。
インターネットで調べると、
フルネームは「ジョルジェット・ジュジャーロ」
(イタリア語の発音だと、ジュジャーロという感じになります)です。
当時の私は、「ジウジアーロって、すごい天才デザイナーなんだ!!」と感動していました。
因みに、ジウジアーロは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズにも登場した「デロリアン」もデザインしています。
そして、トリノで開かれる国際モーターショーにも憧れました。
イタリアと言えば首都ローマが最も有名ですが、個人的にはトリノこそ、最初に覚えたイタリアの都市名でした。
「トリノに行けば、街中をスーパーカーばっかりが走っているんだ!」
と思っていました(笑)。
ついにスーパーカーに乗った!?
小学1年生か2年生の頃でした。
家の近所のダイエーに、「ランボルギーニ・カウンタック」がイベント展示用にやってきたのです!
私は父親に連れられて、カウンタックを見に行きました。
特徴的なガルウイングのドアが上に跳ね上がるように開いている姿は、メチャクチャ格好良かったです。
我々子供たちは、運転席に座らせてもらえました。
私も他の子供たちも皆、ステアリングを握って、ドライバー気分で悦に入っていました。
中には、父親にカメラで写真を撮ってもらっている子もいました。
本当に懐かしい思い出です。
ブームが去って・・・。
しかし1980年代に入って、スーパーカーブームは終わりを告げました。
所詮、一般人には手の届かない高級車です。
そして、F1などの自動車レースも、一時のブームは影を潜めました。
日本でもレースは行われていましたが、やはり自動車レースの本場はヨーロッパであり、F1にフル参戦するドライバーもいなかった日本では、本格的な人気には至りませんでした。
1987年(昭和62年)に中嶋悟さんが日本人初のフルタイムドライバーとして、ロータス・ホンダからF1に参戦したことで、自動車レースの人気に火が付きました。
ちょうど日本はバブル景気真っ只中にあったので、ポルシェやフェラーリなどの高級スポーツカーも、バブル紳士たちの人気を集めました。
しかし、我々が経験したような、熱狂的とも言うべきブームは、ついに訪れませんでした・・・。
最後に・・・。
あのブームから40年が経過しましたが、あの頃にスーパーカーに魅せられた我々の世代には、スーパーカーに対する憧れが染み込んでいます。
3~4年前、家の近所のタワーマンションのそばを嫁と一緒に歩いていると、大型トレーラーから車が下ろされる場面に出くわしました。
何気なく見ていると、中から出てきたのは
何と白色のランボルギーニ!
車のオーナーらしき男性(私より少し年上らしい感じでした)が、満足げにその様子を見ていました。おそらくタワマンの住人でしょう。
私の視線に気付いたその男性は、こちらに振り向きました。
しかし、見られてイヤそうな感じではなく、若干ドヤ顔でこちらを見ているように思いました・・・。
昨年2019年(令和元年)、千葉県市川市の市長が、米国テスラモーターズの高級車(しかもガルウイング!)を市の公用車にしようと企み、結局断念したことがマスコミで話題になりました。
ここの市長も確か40歳台後半。やはり、子供の頃にスーパーカーにハマって、市民の税金で夢を叶えようとしたのでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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