2022年(令和4年)9月現在、世界各国で喫緊の問題となっているのは、
「インフレによる物価高」
「エネルギー確保」
の二つでしょう。
「エネルギー確保」については、主にヨーロッパ諸国で深刻化しています。
言うまでもなく、ロシアからの天然ガス供給が停止されたためです。
新たな供給先や代替資源の確保に必死です。
一方、「インフレによる物価高」については、ヨーロッパに限らず世界中の国が、何らかの影響を受けています。
飲食料品や日用品、光熱費など、人間の生活に欠かせない費用が、どの国でも高騰しています。
日本も影響大だが、永田町のセンセイ方は・・・。
日本も、当然ながら例外ではありません。
ようやくコロナ禍が、一旦鎮静化してきたかと思えば、
「24年ぶりの超大幅円安」
となっています。
ウクライナ危機や各国のインフレなどと複合し、日本経済、特に国民生活はエライことになっています。
しかし永田町のセンセイ方、特に与党のセンセイ方がボンヤリしているせいで、対策が進んでいる気配は一向に感じられません。
与党の多くのセンセイ方は、
旧統一教会をめぐる大スキャンダル(と言っていいでしょう)
の火の粉をかわすことに、汲々としているようです・・・。
『投票しなかった人たち』も、センセイたちを選んだ!
一つ確かなことがあります。
そうした人々を「センセイ」にしてしまったのは、他でもない日本の有権者です。
与党に投票した有権者はもちろん、全有権者の5〜6割を占める
「投票に行かない人たち」
です。
投票しない、すなわち棄権することは、
「白票を投じる」
のと同じです。
そして
「白票を投じる」=「白紙委任状を出す」
ということです。
当選したセンセイ方が、やりたい放題無茶苦茶しても、投票に行かなかった人たちは文句を言える立場にはないのです。
投票が『義務』となっている国もある!
日本の選挙は
「任意投票制」
です。
なので、投票に行かなくても、罰則の類は一切ありません。
世界の大部分の国では、同様に任意投票制が採用されています。
一方、選挙での投票が権利ではなく「義務」とされている、
「義務投票制」
の国が20カ国前後あります。
例えばヨーロッパではベルギー、オセアニアではオーストラリアが含まれます。
半分以上の国は、中南米の国となっています。
南米の大国も、義務投票制を採用している!
そこに含まれるのが、南米の大国
ブラジル
です。
ブラジルと聞けば、
「サンバ」
「サッカー」
「ビーチ」
を思い浮かべる方が多いはずです。
陽気な国民性の一方、
「ヤタケタ」
つまりテキトーな国民性というイメージもあります(ブラジル人の皆様、スイマセン・・・)。
そのブラジルで、投票が義務であると聞くと、驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
私がその事実を知ったのは、10年ほど前です。
確か、衛星放送のテレビ番組でだったと思います。
「ブラジルって、選挙の面では日本よりはるかにちゃんとしてるな・・・。」
と思ったのを覚えています。
罰則で一番多いのは『罰金』!
ちなみに、義務投票制の国で投票に行かなかった場合、罰則の有無は国によって異なります。
最も多いのは「罰金」です。
金額は、これまた国によって差がありますが、それほど高額ではありません。
ブラジルでは、罰金の額は
日本円で約150円。
「そんなに安いと、投票に行かない人は結構多いんじゃないか?」
と思ってしまいます。
正当な理由なく棄権すると、不利益が・・・。
ところが、そうではありません。
罰金以外に、様々な不利益を被るのです。
正当な理由で投票に「行けなかった」場合は、選挙後の所定期間内に、申請書を役所に届け出る必要があります。
外国で生活している人も、大統領選挙の際には、ぞの国の大使館・領事館に事前申請が要るそうです。
一体、どんな不利益があるのでしょうか?
結構厳しい措置。選挙人名簿からの抹消も!
まず、パスポートや公的な証明書を発行してもらえなくなるそうです。
私が昔テレビで観た際は、
「たとえ発行してもらえたとしても、他の人への発行が優先され、後回しにされる。」
と言われていました。
また、金融機関での借入ができなくなるそうです。
住宅ローンも組めなくなります。
そして、公立大学などへの入学が認められないそうです。
ブラジルでは、18〜70歳の国民に投票義務があります。
若者が怠けて投票に行かないと、進路が狭まってしまう恐れがあります。
何回繰り返すとそうなるのかは、残念ながら不明です。
ただ、3回投票を棄権すると、
選挙人名簿から名前を抹消される
という措置が取られます。
以降の選挙において、投票券が届かなくなります。
ブラジルの歴史が影響している?
ブラジルなど中南米の国の多くが、義務投票制を採用している理由は、いくつもあります。
ただ、私のようなド素人でも思いつくのは、
「中南米の国では、軍事政権に支配されていた時期があったからではないか?」
です。
ブラジルも1980年代半ばまでは、軍政が敷かれていました。
南米のもう一つの大国、アルゼンチンも同様でした。
そうした経験から、
「選挙によって、民主的に政治家を選ぶことの重要性」
を感じているからではないでしょうか。
ブラジル人の多くは、本音では
「義務じゃなかったら、絶対行かない!」
と思っているらしいと、あるニュース記事で読みました。
それでも、任意投票制に移行する気配はありません。
最後に・・・。
日本も、本当の意味での
「普通選挙」(男女とも投票でき、収入・納税額に関係なし)
が実施されたのは、第二次世界大戦の後です。
日本国民は、そう簡単に
「投票できること」
の大切さを忘れてはならないはずですが・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
興味がございましたら、こちらもお読みください。
2021年(令和3年)10月31日(日曜日)に、第49回衆議院議員総選挙が行われることが、先日発表されました。そして、投票日には「最高裁判所裁判官国民審査」も同時に実施されます。平たく言えば、最高裁判所の裁判[…]
私は、1980年代末期からの「泡沫候補」ウオッチャーです。「泡沫候補って何?」という方のため、説明します。「泡沫候補」とは、選挙において当選の見込みが著しく低い候補者です。メジャーな政党に属せず、無所属で立候[…]
来月初めの11月3日(日本時間3日夜~4日昼)に、アメリカの大統領選挙が実施されます。アメリカはもちろん、日本を含む外国でも非常に関心が高いイベントです。4年前の2016年、前回の選挙では大方の予想を裏切り、ドナルド・トラン[…]