サラリーマンやOLといった、いわゆる「勤め人」にとって、数少ない楽しみの一つが
「ボーナス」
です。
雇用形態によっては年に1回だったり、全く支給されないこともあります。
正社員の場合、年に2回、夏(6月)と冬(12月)に支給されるのが一般的です。
英語でも、bonus[bóʊnəs(米国英語), bˈəʊnəs(英国英語)](特別手当、賞与)という単語が存在します。
ところで、イタリア語では「ボーナス」のことを何と言うか、ご存知でしょうか?
該当しそうな単語は二つ!
小学館 伊和中辞典及び和伊中辞典で調べてみると、二つ該当しそうな単語があります。
まず一つ目は
「indennità」
です。
この言葉の持つ意味の一つに
「諸手当、一時金」
があります。
和伊辞典の例文では
Abbiamo un’indennità annuale di 4 mesi di stipendio.
(年間4ヶ月分のボーナスが保証されている。)
[cf. annuale (年間の) mese (月) stipendio (給料)]
となっています(名詞は語尾変化します)。
ただ、伊和辞典では「住宅手当」、「出張費」、「勤続手当」、「退職一時金」などの特別な場合に文字通り「一時金」として支払うニュアンスが含まれています。
続いて二つ目は
「gratifica」
です。
伊和辞典では
「ボーナス、賞与、慰労金、特別手当」
となっており、日本での「ボーナス」とほぼ同じという感じです。
例文は
In questa ditta le gratifiche non sono favorevoli ai semplici dipendenti.
(この会社のボーナスは下に薄い。)
[cf. ditta (会社、企業) favorevole a ~ (~に好意的な、有利な)
semplice (平の、最も階級が低い) dipendente (社員、従業員)]
(名詞の語尾変化あり)となっています。
私のような下々の人間には、何とも悲しい例文です・・・。
イタリアでは、日本にはない習慣が!
また、イタリアには日本とは異なる習慣があります。
クリスマス前に、月給の1ヶ月分が支払われるそうです。
このボーナスは
「tredicesima」(カタカナ表記するなら「トレディチェーズィマ」)
と呼ばれます。
実は
「tredicesimo」
という単語があり、
「13番目の」(形容詞)、「13分の1」(名詞)
という意味を持ちます。
月給は年に12回支給されますが、追加で13回目の月給が支給されるという意味です。
「la tredicesima」だけで、一般的に通じます。
会社によっては、夏にも
「quattordicesima」(カタカナ表記するなら「クァットルディチェーズィマ」)
というボーナスが支給されます。
「quattordicesimo」
は、「14番目」(形容詞)、「14分の1」(名詞)という意味です。
最後に・・・。
国によって、ボーナスに対する考え方や支給方法はそれぞれ異なります。
2021年(令和3年)も、6月は
「夏のボーナス」
の時期となります。
皆様がなるべく多額のボーナスを受け取り、笑顔になってくださることを願います・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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